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THE PRETTY THINGS DISCOGRAPHY

*現在発売されている彼等のCDにそって紹介しています。私としては未だに紙の書籍を優先する気持ちが強いので、このHPにはデータ的な事はほとんど書いてありません。

恐らく現在、日本で最も新しい資料、インタヴューが掲載されているのが THE DIG No.36 (シンコー・ミュージック刊)であると思われます。彼等に興味を持たれた方は御一読をお薦めします。


The Pretty Things

Fontana 1965

Phil May(vo) / Dick Taylor(g) / John Stax(b) / Brian Pendlton(g) / Viv Prince(ds)

 カヴァーが大半を占めるが、その解釈はほとんど唯一無二。R&Bは素材となっているだけで、彼等より上の世代の人間は、ミュージシャンも眉を顰めた。

 自分自身はプリティ・シングスのファンであるが、このアルバムについては、少し評価に困る。ビート・バンドのファン、ガレージ・バンドのファン、プリティ・シングスのファン、それぞれから良い評価を得ているアルバムではある。

 このアルバムから現在「不良っぽい部分を感じることが出来るか」、と言われたら、私には疑問だ。「不良性」=「数々のスキャンダル」は現在の日本人である私達に伝わりにくくても音楽は伝わる。現在彼等が生き残っている、アルバムが名盤とされているのは、残っている音楽が素晴らしいからだ。

 「不良」なんて言葉よりも、むしろ「初期衝動」という言葉と、「不満を吐き出す」ような感覚を感じる。

Get The Pictute?

1966

Fontana

Phil May(vo) / Dick Taylor(g) / John Stax(b) / Brian Pendlton(g) / Viv Prince(ds)

 メンバー以外に、ジミー・ペイジ、ボビー・グラハムといったセッション・マンも参加。ヴィヴ・プリンスは2曲ほど参加しただけでスキップ・アランに交替している。

 自作曲が増え、ギターの音色もファズの使用で派手に変化した。そのためファズの音愛好家には最もウケると思う。

 前作の路線の延長に位置するが、アレンジが変わった印象。自分達の曲で、前作のから更なる展開を狙ったか。カヴァーの時期が終わるのは必然である。

Emotions

1967

Fontana

Phil May(vo) / Dick Taylor(g) / John Povey(kbd,vo) / Wally Waller(b,vo) / Skip Alan(ds)

 前作から大幅にメンバーが交替した。ペンドルトンは早々と脱退(失踪!?)したため、彼は参加せず。ジョン・スタックスは2曲のみ参加。途中からフェンメンのウォリー・ウォラーとジョン・ポヴィが参加。

 他にもザ・ハードのゲイリー・テイラーが参加。

 そのサウンドもキーボードが加わり、アコースティックな響きも目立つ。プロデューサーの意向で管と弦楽器が重ねられた。

 アコースティックな響きのアルバムで、この67年の時点では洗練の域にあると思う(ただしブラスのアレンジがなければの話だが)。

S.F.Sorrow

1969

EMI / Columbia

Phil May(vo) / Dick Taylor(g,vo) / John Povey(kbd,vo) / Wally Waller(b,vo) / Twink(ds,vo)

 前作から数枚のシングルを挟み、レーベルを移籍して発表。ドラマーも変わった。ロック史上初のストーリーを持ったアルバム。

 これは企画アルバムである、とも言える。本作は彼等の本質のひとつかも知れないが、すべてではない。同時期に作られた『Even More Electric Banana』とライヴを合わせて聴きたい。

 このラインナップの写真を見ると分かる様に、ポップ・バンド然とした顔つきではない。


Parachute

1970

EMI / Harvest

Phil May(vo) / John Povey(kbd,vo) / Wally Waller(b,vo) / Skip Alan / Victor Unitt(g)

 ディック・テイラー、トゥインク脱退。スキップ・アラン再加入。エドガー・ブロートン・バンドからヴィクター・ユニットが参加。ソフト/ハード/ヘヴィが同居する作品。

 タイトル曲以外はフィル・メイとウォリー・ウォラーの共作。プロデューサーはノーマン・スミスで、彼はピアノも弾いた。

 この後、ユニットが再び脱退。ピーター・トールセンが参加してシングルを発表するが、一旦活動停止する。

Freeway Madness

1972

Warner Brothers

Phil May(vo) / John Povey(kbd,vo) / Skip Alen(ds) / Peter Tolson(g) / Stewart Brooks(b)

 ギター、ベースが交替。それぞれピーター・トールセン、スチュアート・ブルックスが参加。

 この頃、初めてアメリカ・ツアーを行う。

 音もアメリカ・ナイズが進む。演奏力が飛躍的に向上したが、演奏するのと同時に歌うことが出来るメンバーが減ったためか、ライヴでは心無しか演奏が充実した印象。「Onion Soup」あたりはこのスタジオ録音ではまだ未完成に思える。この曲はライヴで完成されたと言い切りたい。実際『The BBC Sessions』での演奏は凄まじい。

 「Country Road」では実際にフィル・メイがアコースティック・ギターを弾いたという。

Silk Torpedo

1974

Swan Song

Phil May(vo) / John Povey(kbd,vo) / Skip Alan(ds) / Peter Tolson(g) / Gordon Edwards(kbd,g,vo) / Jack Green(b,vo)

 レッド・ツェッペリンのレーベルから発表。

 曲を書くことができて、歌えるキーボーディストとベース・プレイヤーが参加。ヴォーカル面で更に強力に。勿論、演奏も素晴らしく、この時期のライヴは必聴。

 ゴードン・エドワーズ、ジャック・グリーンは共に歌うことが出来る人物。彼等はライヴではまるまるリード・ヴォーカルをとる自作曲を演奏することもあった。しかしフィル・メイのように存在感があるか、となると話は別で、強力なフロントマンとしてのフィル・メイの存在を改めて思い知らされる。

 私見では彼等の最高傑作。

Savage Eye

1976

Swan Song

Phil May(vo) / John Povy(kbd,vo) / Skip Alan(ds) / Peter Tolson(g) / Gordon Edwards(kbd,g,vo) / Jack Green(b,g,vo)

 前作からメンバー、レーベルは変わらず。

 曲の質は高いが、ジャック・グリーンが単独で作り、ギターで弾き語りをした曲があったりとバンドの必然性がない曲も。

 アルバム未収録曲には「Tonight」がある。名曲だが、フィル・メイが嫌いな曲だという。

 この後フィル・メイが脱退。他のメンバーはメトロポリスと改名。その時の録音がCDのボーナス・トラックとして収録されたが、それを聴くと本作の曲と同等かもしくはそれより良い曲だったりする。本作収録曲がミディアム〜スロー・テンポの曲が多いというのも関係しているが、「Love Me a Little」と「Dance All Night」は本作の収録曲と比べても遜色ない。フィル・メイ抜きでも充分に魅力的だが、しかしそこにこの時期のプリティ・シングスの限界があった。

PHIL MAY & THE FALLEN ANGELS 同名のアルバムをオランダのみで発表(1978)
Skip Alan / Peter Tolson / Gordon Edwards / Jack Green 4人はMatropolice 名義でライヴとレコーディングを行う。

Cross Talk

1980

Warner Brothers

Phil May(vo) / Peter Tolson(g) / Wally Waller(b,vo) / John Povey(kbd,vo) / Skip Alan(ds) / Dick Taylor(g)

 再編アルバム。曲の大半は May / Tolson の2人による。ディック・テイラーの印象は薄い。実際、流麗なギター・ソロの大半はトールセンによるもの。

 パンクには触発されたと言われる彼等だが、音はニュー・ウェイヴ寄り。しかし楽曲のクオリティは高く、演奏も問題はなく、アルバムは傑作と言って良いと思う。

Live At The Heartbreak Hotel

1983

Big Beat

Phil May(vo) / Dick Tayler(g) / Joe Shaw(g) / David Wintour(b) / John Clark(ds) / David Wilki(kbd) / Kevin Flanagan(sax) / John Elster(harmonica)

 初のライヴ盤。パブ・ロックの人脈が大挙して参加。ギタリストは元Doll By Doll。若干、演奏が緩いと感じる部分もある。メイ&テイラーと他のメンバーの存在感の差が歴然としている。

 英独ベルギーで発売されて全てカヴァーが異なっていた(写真はドイツ盤)。

Out Of The Island

1987

inak

Phil May(vo) / Dick Taylor(g) / Joe Shaw(g) / Roelf Ter Velt(b) / Bertram Engel(ds)

 ドイツのみで発売された再録中心のアルバム。この中の1曲が英国ではシングルのB面に収録された。新曲も1曲ある。

 この頃のライヴがドイツのテレビて放送されたこともある。

Resurrection

1998

Snapper

Phil May(vo) / Dick Taylor(g,vo) / John Povey(kbd,vo) / Wally Waller(b,vo) / Skip Alan(ds,vo)

 S.F.Sorrow の再演ライヴ・アルバム。上記メンバーの他にアーサー・ブラウン、デイヴ・ギルモア、ドーヴ・スキッパー等がゲスト参加。限定盤。

 これについてはCDよりも絵があるDVDを見た方が断然良い。「動くプリティ・シングスを見ることが出来る」という以上に、曲のアレンジもよくわかる。

 サイケの時代の音の質感は再現不可能だが、それはマイナスの要素ではなく、私などは彼等と凡百のサイケ・バンドとの本質の差が露になったと考えている。

Rage Before Beauty

1999

Snapper

Phil May(vo) / Dick Taylor(g) / John Povey(kbd,vo) / Wally Waller(b,vo) / Skip Alan(ds) / Frank Holland(g)

 Cross Talk以来録りだめてあった録音と新曲をまとめたもの。全編を違和感なく聴くことが可能。メンバーは60年代末の編成に1人追加。ゲストとしてロニー・スペクター、デイヴ・ギルモア等が参加。

 どのアルバムもそうだが、特に本作を他のアルバムと比べてみると…もしかするとファーストより好きだったりする。セカンドと比べてもあやしい。しかしファースト、セカンドは同じくらい好きだから、それ以上か。

 じっくり聴き込みたいアルバムで、自分の中では時に「現在一番良く聴いているアルバム」に選出されることがある。

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